「ヒロアカ映画はひどい?」という疑問への答えは、酷評だけの作品ではなく、物語面では賛否がある一方、作画やバトルは高く評価された作品です。
2024年8月2日に公開された『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は、シリーズ劇場版第4作。原作者・堀越耕平さんが総監修・キャラクター原案を担当した完全新作オリジナルストーリーで、TVアニメ第7期と同じ時系列が舞台です。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
ところが検索すると、「ヒロアカ 映画 ひどい」「ヒロアカ映画 ひどい」だけでなく、「ヒロアカ 舞台 ひどい」「ヒロアカ 実写 ひどい」といった気になる言葉まで出てきます。
そこでこの記事では、映画『ユアネクスト』がなぜ「ひどい」と言われるのかを、ストーリー、キャラクター、ダークマイト、ゲスト声優、アクションという観点から整理します。
さらに、舞台版The “Ultra” Stageや、制作が進められている実写版は映画『ユアネクスト』とは別作品であることも整理し、「結局どれが酷評されているの?」というモヤモヤまで、すっきりほどいていきます。
この記事を読むとわかること
- 『ユアネクスト』が「ひどい」と言われる主な理由
- ストーリー・キャラクター描写・演出で評価が割れるポイント
- ダークマイトやジュリオ、アンナに対する評価
- 生見愛瑠さんのゲスト声優起用について賛否が生まれた理由
- 作画やバトルなど評価されている部分
- 「ヒロアカ 舞台 ひどい」と映画版の違い
- 「ヒロアカ 実写 ひどい」は現時点で完成作品への評価ではないこと
- 『ユアネクスト』がおすすめな人・合わない可能性がある人
ヒロアカ映画はひどい?結論は「ストーリーは賛否、映像は高評価」
結論からいうと、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』を一言で「ひどい映画」と断定するのは少し乱暴だと私は感じます。
不満が集まりやすいのは、主にストーリーの密度、劇場版オリジナルキャラクターへの比重、1年A組の出番の差などです。
一方、劇場版だからこそできる大規模なバトル、デク・爆豪・轟を中心とした高速アクション、ボンズによる映像表現については、「ここを観るだけでも映画館向き」と感じる人がいるのも納得できます。
まず前提として、『ユアネクスト』はシリーズ本編そのものの続編映画というより、TVアニメ第7期と同じ時系列に起きた劇場版オリジナル事件として作られています。
公式発表でも、ヒーローと敵<ヴィラン>の戦いで荒廃した日本を舞台に、最終決戦直前に発生する事件が描かれると紹介されました。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
監督は岡村天斎さん、脚本は黒田洋介さん、キャラクターデザインは馬越嘉彦さん、アニメーション制作はボンズ。原作・総監修・キャラクター原案は堀越耕平さんです。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
つまり、「知らないスタッフが勝手に作った別物」という映画ではありません。
それでも評価が割れたのは、ヒロアカファンが映画に求めるものと、今回の作品が重点を置いたものにズレがあったからだと考えると分かりやすいでしょう。
ストーリー展開の速さが感情移入を妨げた
『ユアネクスト』に対する不満として出やすいのが、展開の速さです。
物語では、ダークマイト、ゴリーニ・ファミリー、アンナ・シェルビーノ、ジュリオ・ガンディーニといった劇場版オリジナル勢が次々と登場します。
さらに雄英高校1年A組も動き、巨大要塞を舞台に戦闘が発生するため、映画一本の中に処理しなければならない要素がかなり多めです。
そのため、「設定を理解したと思ったら、もう次の戦闘が始まっている」ような忙しさを感じる人がいても不思議ではありません。
映画館でポップコーンを一粒つまんでいる間に話が半歩進んでいる……というのは大げさですが、それくらいテンポ重視に感じる場面があります。
特にアンナとジュリオの関係は、本作の感情的な中心になり得る重要な要素です。
宮野真守さん自身も公開前コメントで、アンナの存在がジュリオの行動理念と切り離せない重要なものであることを説明していました。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
だからこそ、この2人の過去や関係性をもっとじっくり味わいたかった人ほど、「もう少し時間が欲しかった」と感じやすいのでしょう。
原作ファンにはキャラクターの心情描写が物足りない?
ヒロアカの魅力は、単に「すごい個性で敵を倒す作品」というところにはありません。
デクが何を恐れ、それでもなぜ前へ出るのか。
爆豪が何に苛立ち、どう変化してきたのか。
轟が家族との問題にどう向き合っているのか。
こうしたキャラクターの内面と戦闘が結びついていることこそ、原作やTVアニメに長く触れてきたファンを惹きつける大きな理由だと思います。
その視点で見ると、『ユアネクスト』は映画ならではの事件処理とアクションに時間を使うため、本編ほど細かな心理の積み重ねを描けません。
「もっとキャラクター同士の関係や成長を見たかった」という人には、この点が物足りなく映りやすいでしょう。
ただし、これは必ずしも「キャラクターが雑に扱われている」という意味ではありません。
映画に何を求めるかによって印象が違い、心理劇を期待すると薄く感じやすく、劇場版ならではの大乱戦を期待すると満足しやすいという構造なのだと私は考えています。
デク・爆豪・轟と他の1年A組で出番の差がある
シリーズを追っているファンにとって悩ましいのが、推しキャラ問題です。
映画公開前のキービジュアルには、デク、爆豪、轟だけでなく雄英1年A組やプロヒーローを含む総勢19名が描かれ、「次は僕たちだ!」というキャッチコピーが掲げられました。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
それだけに、1年A組全員の大活躍を期待していた人もいたでしょう。
しかし映画には上映時間があります。
デク、爆豪、轟、ジュリオ、アンナ、ダークマイトという中心人物を動かしながら、A組全員に同じ密度のドラマを用意するのはかなり難しいところです。
その結果、特定キャラクターを目当てに観た人ほど「思ったより出番がなかった」という肩透かしを感じやすくなります。
これは群像劇として長期間展開できるTVシリーズと、約一本分の上映時間に物語を収めなければならない劇場版の違いでもあります。
個人的には、「A組全員を均等に活躍させる映画」ではなく、「劇場版オリジナル事件をデクたちが解決する映画」と考えて観たほうが、作品の狙いとは噛み合いやすいと思います。
ダークマイトはひどい?「薄い悪役」と感じられる理由
ダークマイトへの評価が割れる最大の理由は、オールマイトを模倣するという強烈な設定に対して、観客が非常に大きな期待を抱きやすかったことでしょう。
ダークマイトは、荒廃した日本に現れ、自らを新たな象徴と称する劇場版オリジナルヴィランです。
姿はオールマイトを思わせますが、その思想は正反対。公式サイトでは、自身の野望のために巨大な要塞を作り、人々を取り込んでいく存在として紹介されています。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
声を担当するのは、オールマイト役でもある三宅健太さん。
つまり、単に似たデザインの悪役ではなく、「平和の象徴」をどう解釈するかというテーマそのものをひっくり返したキャラクターなのです。
オールマイトの偽物という設定への期待値が高すぎた
ダークマイトという発想自体は、ものすごくヒロアカらしいものです。
本物のオールマイトは、圧倒的な力を「人を安心させるため」に使いました。
それに対してダークマイトは、強さや外見だけを「象徴」として模倣します。
ここには、姿や力を真似てもオールマイトにはなれないという、ヒーロー作品らしい対比があります。
ただ、この素材が非常に魅力的だからこそ、「もっと思想面を深掘りしてほしかった」と感じる人が出てきます。
ステインや死柄木弔など、ヒロアカ本編には思想や社会への不満が物語と密接につながったヴィランが多数登場します。
そうした敵に慣れているファンほど、ダークマイトにも同じレベルの心理的な掘り下げを期待してしまうんですよね。
個人的には、ダークマイトは「中身がまったくない」というより、オールマイトとの対比をもっと濃く描けそうな設定だっただけに、期待値が設定の強さを追い越してしまったキャラクターという印象です。
「目的が分からない」は少し言い過ぎ
一方、「ダークマイトは何をしたいのか一切分からない」とまで言うのは正確ではありません。
公式のストーリー紹介でも、彼には自身の野望があり、そのために“個性”で巨大要塞を作り、人々を巻き込んでいくことが示されています。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
したがって問題は「目的が存在しない」ことではなく、その思想や背景を観客が十分に納得できるほど掘り下げてほしかったという部分でしょう。
これは似ているようでかなり違います。
作品への批判を検証するときほど、「描写が薄い」と「設定されていない」を混同しないことが大切です。
アンナ役・生見愛瑠はひどい?ゲスト声優への評価を整理
アンナ・シェルビーノ役には、モデル・俳優として活動する生見愛瑠さんが起用されました。
ジュリオ役は宮野真守さんです。2人はいずれも2024年5月31日に劇場版ゲスト声優として正式発表されています。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
公開後には生見さんの演技について賛否が見られましたが、「下手だった」という感想を客観的事実のように扱うのは避けたいところです。
声の演技は、視聴者の好みやキャラクター像との相性に大きく左右されるからです。
アンナの声に違和感を覚える人がいる理由
アニメ作品では、普段からアニメ声優の芝居に慣れている視聴者ほど、発声や感情表現の違いを敏感に感じる場合があります。
『ユアネクスト』では、アンナが物語の中心に近い人物であることも重要です。
端役なら少々芝居の方向性が違っても流せますが、重要人物の場合は声を聞く時間も長く、作品全体の印象に影響します。
そのため、生見さんの自然寄りの芝居を「キャラクターに合う」と受け取る人がいる一方、アニメらしいメリハリを求める人には「周囲と少しトーンが違う」と感じられた可能性があります。
ただ、これはあくまで演技スタイルへの評価です。
個人への攻撃と作品上のキャスティングへの批評は、きちんと分けて考えるべきでしょう。
宮野真守演じるジュリオは高い存在感
対照的に、ジュリオ・ガンディーニは本作で強く印象に残るキャラクターです。
隻眼、義手、執事のような装い、アンナを「お嬢様」と呼びながら追い続けるという、一口では飲み込めないほど属性が盛られています。
ケーキならクリームも果物もチョコプレートも全部のせ。なのに意外と胃もたれしない。そんなキャラクターです。
宮野真守さんの芝居も相まって、ジュリオの感情や危うさは伝わりやすく、本作オリジナルキャラクターの中でも存在感があります。
公式サイトでも、ジュリオの「個性」とアンナとの関係が物語の重要な鍵であることが公開前から示されていました。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
「もっとジュリオとアンナを掘り下げてほしかった」と感じるのも、逆にいえば2人の設定そのものには続きを知りたくなる魅力があったからではないでしょうか。
ヒロアカ映画が「ひどい」と言われても作画・バトルは大きな見どころ
『ユアネクスト』について語るとき、ストーリーへの不満だけで終わらせてしまうのはもったいありません。
この映画の明確な強みは、劇場スクリーンを意識した派手なアクションと映像表現です。
ここは「物語はいまひとつだったけれど、アクションは好き」という評価が成立するポイントでもあります。
デク・爆豪・轟の戦闘は劇場版らしい迫力
デク、爆豪、轟というヒロアカ屈指の戦闘映えする3人を大きく動かせるのは、劇場版の強みです。
スピード、爆発、氷と炎。
能力の性質がまったく違うため、同じ戦闘に参加しても画面が単調になりません。
しかも今回は巨大要塞という舞台が用意されているため、通常の市街地戦とは違うスケールでアクションが展開します。
この部分に関しては、ストーリーの細かな心情描写よりも「とにかくヒロアカのキャラクターが全力で戦う姿を大画面で見たい」という人との相性が良いでしょう。
私自身、映画版ヒロアカに関しては、TVシリーズとまったく同じ味を求めるより、劇場版だからこそ少し大盛りになったアクションを楽しむ作品として見るほうが魅力を拾いやすいと感じます。
「詰め込みすぎ」はアクション重視の裏返しでもある
物語が忙しいという欠点と、戦闘シーンが多いという長所は、実は表裏一体です。
キャラクターの会話を30分増やせば、当然その分だけ戦闘時間は短くなります。
反対に、映画館映えするバトルを次々に配置すれば、心理描写に使える時間は減っていきます。
『ユアネクスト』は明らかに後者寄りです。
つまり、「映画として失敗した」というより、アクションへ大きく振った設計が、ドラマを重視するファンと噛み合わなかったと見るほうが公平でしょう。
ここが、「ヒロアカ映画 ひどい」という検索結果だけを見ていると抜け落ちやすいポイントです。
「ヒロアカ 舞台 ひどい」は映画とは別?The “Ultra” Stageとの違い
「ヒロアカ 舞台 ひどい」と検索している場合、劇場版アニメ『ユアネクスト』ではなく、2.5次元舞台『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stageを探している可能性があります。
ここは混同しやすいので、きっちり分けておきましょう。
『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stageは、堀越耕平さんの漫画を舞台化したシリーズです。
2019年の初演以降、『本物の英雄』『平和の象徴』『最高のヒーロー』など複数の公演が展開されてきました。公式ポータルサイトにも過去公演のアーカイブが掲載されています。「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 公式ポータルサイト+1
したがって、
- 『ユアネクスト』=2024年公開の劇場版アニメ
- The “Ultra” Stage=俳優が演じる2.5次元舞台
- 実写映画版=別途企画されている映像作品
という違いがあります。
舞台版が「ひどい」と検索される理由は?
漫画やアニメを舞台化すると、どうしても好き嫌いが分かれます。
ヒロアカは特に、爆発、炎、氷、巨大化、高速移動など、現実の舞台上ではそのまま再現できない“個性”が多い作品です。
そのため、アニメの映像を基準に見ると、
- 個性の表現方法がイメージと違う
- 衣装や髪型に2.5次元作品らしいデフォルメを感じる
- 漫画の長い物語を舞台時間にまとめるため展開が早く感じる
- ミュージカル的・演劇的な表現が好みに合わない
と感じる人はいるでしょう。
一方で、舞台には舞台ならではの良さがあります。
目の前で俳優が身体を使って戦い、照明、音響、ダンス、殺陣によって「個性」を表現する面白さは、アニメとはまったく別物です。
2019年の初演からシリーズが続き、その後も複数公演が制作されていることを考えても、「ひどいという評価しかない舞台」とまとめるのは実態に合いません。「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 公式ポータルサイト
アニメの完全再現を求めるのか、舞台ならではの翻案を楽しむのか。
ここで評価が分かれやすい作品だと考えるのが自然です。
「ヒロアカ 実写 ひどい」は本当?まだ完成作品への酷評ではない
「ヒロアカ 実写 ひどい」と検索している方に、特に知っておいてほしい点があります。
実写版『僕のヒーローアカデミア』については、少なくとも公開済み完成作品を観た観客が「ひどい」と評価している、という話ではありません。
実写映像化企画そのものへの不安や予想と、完成作品のレビューを混同しないことが大切です。
報道されている実写版では、『キングダム』シリーズなどを手掛けた佐藤信介監督が携わり、脚本家ジェイソン・フックス氏も参加しています。
2025年にEntertainment Weeklyが報じた内容では、フックス氏が、原作者の堀越耕平さんも企画に深く関わり、ストーリーや場面について意見を出していると説明しています。EW.com
なぜ公開前から「実写ひどい」と検索されるの?
これはヒロアカに限った話ではありません。
人気漫画の実写化が発表されると、
「デクの髪型は実写でどうするの?」
「爆豪の爆破をCGで再現できる?」
「オールマイトを実写にすると違和感が出ない?」
「雄英高校の世界観を日本の実写映像に落とし込める?」
など、ファンほど心配になります。
ヒロアカはキャラクターデザインが漫画的で、“個性”による身体変化も多いため、確かに実写化の難易度はかなり高そうです。
ただし、難しそうだからといって、公開前から作品の出来を「ひどい」と断定することはできません。
ここは検索すると混線しやすいところなので注意してください。
映画『ユアネクスト』への賛否、The “Ultra” Stageへの評価、今後の実写版への不安は、それぞれ別の話です。
ヒロアカ映画『ユアネクスト』はどんな人におすすめ?
『ユアネクスト』は、ストーリーの完成度だけを最優先する人より、ヒロアカのキャラクターと大規模アクションを楽しみたい人に向いている映画です。
逆に、1年A組全員の濃密なドラマや、本編級に掘り下げられたヴィランを期待すると、物足りなさを感じる可能性があります。
向いている人 合わない可能性がある人
デク・爆豪・轟の戦闘が好き A組全員の均等な活躍を見たい
劇場版らしい大規模アクションを楽しみたい 心理描写をじっくり味わいたい
ジュリオなど新キャラに興味がある オリジナルキャラより原作キャラを見たい
TVアニメを追っている ヒロアカ完全初見
作画・演出を重視する 緻密なストーリー構成を最優先する
原作やアニメを追っているファンほど入りやすい
本作はTVアニメ第7期と同じ時系列です。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
そのため、シリーズの状況を知っている人なら、「なぜ社会がこんな状態なのか」「デクたちは今どんな立場なのか」を説明されなくても理解できます。
逆に、完全初見だと登場人物だけでも大渋滞。
「この子は誰?」「このヒーローは?」「今なんで日本がこんなに大変なの?」と考えているうちに次の戦闘へ進んでしまう可能性があります。
初めてヒロアカを見る作品として積極的に選ぶより、TVアニメをある程度見てから楽しむほうが入りやすいでしょう。
推しキャラ目的なら出番への期待値を調整したい
A組の好きなキャラクターがスクリーンに登場するだけでもうれしい。
そんな楽しみ方も、もちろんありです。
ただし、全員にデク・爆豪・轟クラスの見せ場が用意されているわけではありません。
推しキャラの活躍だけを目的にすると、「もっと見たかった!」となる可能性があります。
一方で、作品全体の戦闘、オリジナル事件、ジュリオとアンナの物語まで含めて楽しむなら、満足できる要素は増えるでしょう。
私が考える「ユアネクスト」が酷評されやすかった本当の理由
ここからは、スイーツを食べるとき以上にじっくり考えた私見です。
『ユアネクスト』が「ヒロアカ映画 ひどい」と言われやすい最大の理由は、作品そのものが致命的に悪いからというより、ヒロアカという作品に対するファンの期待値が非常に高いからではないでしょうか。
ヒロアカは長い連載とTVアニメを通して、一人ひとりの挫折や成長を丁寧に積み上げてきました。
だからファンは、派手なパンチだけでは満足しません。
「なぜ戦うのか」
「この戦いで何が変わったのか」
「その言葉を言うまでに、どんな人生があったのか」
そこまで求めます。
つまり劇場版にとっては、ものすごく贅沢なお客さんを相手にしているわけです。もちろん良い意味で。
オリジナル映画ならではの難しさがある
もう一つ大きいのが、原作本編に重大な影響を与えすぎられないという劇場版作品特有の難しさです。
『ユアネクスト』はTVアニメ第7期と同じ時系列に位置する完全新作オリジナルストーリーです。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
本編の最終決戦へ向かう非常に重要な時期なので、映画だけでデクたちの人生を根本的に変えてしまうような事件は扱いにくいでしょう。
そこで劇場版オリジナルキャラクターが物語の中心になります。
ところがオリジナルキャラを深く描けば、「A組の出番が少ない」と言われる。
A組を全員活躍させれば、「オリジナルキャラの掘り下げが浅い」と言われる。
さらに強大な敵を出せば、「そんな敵が本編に影響しないのは不自然」となりかねません。
うーん、これはなかなか難しいケーキ作りです。生クリームを増やしたらスポンジが減るようなものですね。
「ひどい」ではなく、何が合わなかったかを見ると評価しやすい
ネット検索では、どうしても強い言葉が目立ちます。
「普通だった」より「ひどい」。
「少し合わなかった」より「最悪」。
そのほうが検索されやすいからです。
でも実際の映画評価は、そんなに白黒ではありません。
『ユアネクスト』なら、
ストーリーを重視すると物足りない。
推しの出番を期待すると不満が残る場合がある。
ダークマイトの思想をもっと掘り下げてほしい。
一方で作画やバトルの迫力は楽しめる。
ジュリオという新キャラクターには魅力がある。
このように分解したほうが、かなり実態に近づきます。
私は、これこそ「ヒロアカ映画はひどい?」という疑問に対する一番誠実な答えだと思います。
ヒロアカ映画はひどいのか?評価を整理してまとめ
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は、2024年8月2日に公開されたシリーズ劇場版第4作で、原作者・堀越耕平さんが総監修・キャラクター原案を担当した完全新作オリジナルストーリーです。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
「ヒロアカ映画 ひどい」と言われる背景には、展開の速さ、劇場版オリジナルキャラクターへの比重、A組メンバーの出番の差、ダークマイトの掘り下げへの物足りなさなどがあります。
アンナ役の生見愛瑠さんについても演技への好みが分かれましたが、声の表現は主観的な部分が大きいため、「失敗」と一括りにするより、自分の好みに合うかどうかで判断したいところです。
一方、ボンズ制作のアクション、デク・爆豪・轟を中心にした戦闘、宮野真守さん演じるジュリオの存在感など、見どころもきちんとあります。
また、「ヒロアカ 舞台 ひどい」で検索されるThe “Ultra” Stageは劇場版アニメとは別作品です。
「ヒロアカ 実写 ひどい」についても、実写化企画への不安と、完成した映画への評価を混同してはいけません。少なくとも報じられている実写企画では、原作者・堀越耕平さんも制作過程に関わっているとされています。EW.com
結局のところ、『ユアネクスト』は心理ドラマを最優先すると物足りなさが残る一方、「劇場でヒロアカの大迫力バトルを浴びたい」という人には魅力を見つけやすい映画です。
「ひどい」という二文字だけで判断するより、何が批判され、逆に何が評価されているのかを知ったうえで観るほうが、自分に合う作品か判断しやすいでしょう。
甘いものだって、濃厚チョコを「重い」と感じる人もいれば、「この重さを待っていた!」という人もいます。
映画も同じです。
誰かの「ひどい」が、そのままあなたの「ひどい」になるとは限りません。
よくある質問
ヒロアカ映画『ユアネクスト』は本当にひどいですか?
一概に「ひどい」とは言えません。
ストーリーの詰め込みやキャラクター描写には賛否がありますが、劇場版らしいアクション、作画、デク・爆豪・轟の戦闘などは大きな見どころです。
ドラマ重視か、アクション重視かによって評価が変わりやすい作品と考えるのが適切でしょう。
ヒロアカの舞台がひどいという評判は映画と関係ありますか?
直接の関係はありません。
『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stageは、漫画『僕のヒーローアカデミア』を原作とする2.5次元舞台シリーズで、『ユアネクスト』とは別作品です。「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 公式ポータルサイト
アニメの劇場版、舞台版、今後の実写映像化は分けて評価する必要があります。
ヒロアカ実写版はひどいと決まっているのですか?
いいえ。
実写化は以前から不安視する声が出やすい企画ですが、公開前の懸念と完成作品へのレビューは別物です。
報道では佐藤信介監督らが実写化に携わり、原作者・堀越耕平さんも制作内容に意見を出しているとされています。EW.com
『ユアネクスト』はヒロアカ初見でも楽しめますか?
映像やアクションだけなら楽しめますが、物語を十分に理解したい場合はシリーズを知っているほうが有利です。
本作はTVアニメ第7期と同じ時系列なので、登場人物の関係や社会情勢について詳しい説明が省かれている部分があります。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』公式サイト
『ユアネクスト』で特に評価したいポイントは?
個人的には、劇場作品ならではのスケールを生かしたバトルと、ジュリオというオリジナルキャラクターの存在感です。
物語の掘り下げに惜しさを感じるからこそ、「もう少しこのキャラクターを見たかった」と思わせる部分もあります。
『ユアネクスト』は、欠点が何もない作品ではありません。
それでも「ヒロアカ映画はひどい」という言葉だけでは取りこぼしてしまう魅力も確かにある――そんな、期待するポイントによって評価が大きく変わる一本だと私は考えています。



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